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しまぞーり 私のウチナーグチ考 しまぞーり

1960年生まれ、一緒に住んでいた祖母や両親との会話は100%標準語、祖母、 両親間の会話は100%ウチナーグチで、それを聞いて育った私なりのウチナーグチに対する思い出や思 い入れを紹介します。

第43回 沖縄のお菓子

もうすぐ十五夜、お月見、ふちゃぎが食べたいなぁ〜、と思ったので、今回は沖縄のお菓子につ いて書いてみます。

沖縄のお菓子と言えば、サーターアンダギー(ドーナツ風揚げ菓子)が有名で、今では多くの人に愛され ていますね。昔から店でも売っていましたが、お祝い事があればごちそうと一緒に作って、お皿に盛って 出されているお菓子でした。私が大好きなふちゃぎはお月見の夜仏壇に供えてから、みん なでうさんでー(下げる、お下がり)して食べていました。月見団子ではなく、ふちゃぎ をお供えするのです。そのふちゃぎとは、漢字で書くと吹上餅らしいのですが、食感は餅と言うより 団子で、小判型のお団子に塩味で煮た小豆がびっしりとついたものです。甘くないのですが、豆好きの私は 昔からこれが大好きでした。

ふちゃぎより有名なのはムーチーかもしれませんね。旧暦12月8日の一番寒い時期に食べる、 月桃の葉っぱに包んで蒸した餅のことです。ムーチーとは本来餅のことなので、普通の餅と区別して カーサームーチ(葉っぱの餅)と呼ぶこともあります。私が子供の頃は甘くない白ムーチーと 黒糖入りの茶色いムーチーの2種類でしたが、最近沖縄から送られてくるものは紅イモの粉入りの紫、 かぼちゃの粉入りの黄色などがあり、バラエティ豊かになりましたが、私のお気に入りはやっぱりシンプルな 白、です。もち米本来の味と、カーサの香ばしさが楽しめるのは白、でしょう。

もう一つ、私が大好きな伝統菓子はなんとぅと呼ばれる餅菓子。黒砂糖、味噌を練りこんだ餅をムーチー のように月桃の葉っぱで包んで蒸したもので、餅の上には食紅で色付されたピーナツが花の形に飾り付け られています。ムーチーと違って四角くてかなり大きいので、切り分けて頂いていました。味噌とピーナツ と月桃の香りが何とも言えない大人の味で、ただ甘いだけのムーチーや餡餅より好きでしたね。

沖縄でもお盆や法事の際は餅菓子を始めとするお菓子を数々お供えし、うさんでーして頂きますが、こういう お菓子は子供には不人気。でもそんな中で割合人気があったのが、くんぺんという、丸い、手のひらサイズの 饅頭のような衣の中にゴマと落花生の餡が入ったお菓子です。ゴマの風味が香ばしくて、これは私も大好き でした。逆に一番の不人気菓子はおそらくこーぐゎーし、落雁です。我が家の場合家族の誰も食べないので、 いつまでも冷凍庫に入っていて、母だけがときどき小腹が空いた時に食べていました。

私は首里の儀保町で生まれ育ったのですが、その儀保町の名物なのがの饅頭です。やはり月桃の葉で 蒸したアンマンみたいな饅頭に、筆で赤く「の」と書かれたシンプルなものです。地元なので身近ではあ りましたが、お寺で売っていたので子供が気安く買えるものではなく、大人がお土産で買ってきてくれると、 大喜びするお菓子でした。首里ではもう少し小ぶりで「の」と書かれていない山城(やまぐすく) 饅頭も有名です。どちらも月桃の葉っぱで蒸してあるので、香ばしくて美味ですが、出来立ての美味しさは 格別!

ここまで紹介してきたお菓子は、どちらかと言えば「晴れ」の日のお菓子で、もっと日常的におやつとして 食べていたお菓子ははちゃぐみ。お米のお菓子で、おにぎりがそのままおせんべいになったような 形をして、ほんのり甘くて香ばしくて、軽い割にお米なので1個で満足感もあり、何より安かったのでしょう、 我が家ではひんぱんにおやつとして登場していました。キャラメルポップコーンのお米版で、おにぎりの ような形をしている、言えばイメージがわくでしょうか。ネットで検索してみると出てくるのは白いものばかり ですが、私が子供の頃は大きな袋に白いものとピンクのものが一列ずつ入っていました。

もう一つ、忘れてはいけない沖縄のお菓子がありました、たんなふぁくるーです。黒糖と小麦粉、 卵で作った素朴な饅頭のようなお菓子。やわらかくて、食べていると歯の裏にくっつくのが玉にキズですが、 黒糖の素朴でやさしい味わいがくせになります。これも1個で結構食べごたえがあり、一袋に5、6個入って いて、よく食べました。

ふちゃぎのことを書こうと書き始めたら、意外と沖縄の伝統菓子って身近にいっぱいあったのですねえ。。。 自分でもびっくりしています。次回は沖縄の洋菓子について書こう、と思っています。

9/23/12

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