|
[ちゃんぷるー・どっとこむ開設記念寄稿]
沖縄そば屋
巡り
文・写真
稲福 達也
【其の六】 そばといなり
大衆食堂のメニューからそばだけ
がひとり抜けだし、各地に専門店ができて、そばのセットメニューも多いが、私はそばの相性はいなり
がいいと決めている。なぜかと言われても昔からそうだからそうなのだ。私の知人はそばと油味噌のお
にぎりが好きで、営業の道すがらいつも市場近くの露天のそば屋で食べるらしい。ある日、そばだけを
注文したら「
お客さん
、今日はおにぎりは食べないの?」と言われたそうだ。たくさんの客がいるのに自分の顔と注文を覚え
ていたと笑っていた。
私のいういなりは、彩りににんじんを細かく刻んで酢飯にわずかにまぶし、薄味の油揚げに詰め込
んだ三角形の沖縄風のいなりのことだ。昔は食堂の網棚やガラスケースの中に鎮座していたのだが、い
つしかいなりまでが
本土
ふうの油揚げが甘い小ぶりのいなりに変わってしまった。あのいなりのあるそば屋がどこかにあれば、
私も「
お客さん
、今日はいなりは食べないの」と言われるまで通うのだが..。
このページに関するご意見、ご感想はこちらまで
|