Home> 沖縄でーびる> サイトマップ

[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

くわっちーさびら・その4

 

文・写真 稲福 達也

野良猫ごくまれ

 
那覇市の1世帯当たりのペットフードの年間購入額は、全国の県庁所在地のランキングで2番目に低 いそうだ。沖縄はペットを飼う人の割合が少ないということになるが、私も犬や猫を飼う気はない。と ころが、今、我が家に朝な夕なに餌をねだりに来る野良猫がいる。名付けて“ごくまれ”という。 ごくまれ
“ごくまれ”
   “ごくまれ”との関わりは、こいつが断りもなくある日突然玄関先のプランターの 陰で子供を産んだことだ。黒く動くものが猫の親子だと知った時の妻の悲鳴は、“猫だけにキャット驚 いた”なんてものではなかった。しかし、追い払おうにも生まれたばかりの子猫が不憫で、しばらくミ ルクやキャットフードを与えることにした。やがて子猫は自立して“くわっちーさびたん (ごちそうさまでした)”の挨拶もないまま姿を消したが、親猫の居候は 続いた。妻は、いよいよ縁を切ろうと、猫が嫌う臭いを発散するその名も“いぬ・ねこいや〜よ”とい う忌避剤を買ってきたが効果がない。小さな文字の注意書きを読むと、「空腹時、発情時等には、忌避 効果が低減する場合があります」とあり、そりゃ人間様だってそんな時は理性を失う奴もいると思いな がら続けて読むと「ごくまれに、本剤臭気に鈍感な犬・猫もいます」とあった。そうか、猫の種類も習 性も知らないが、こいつは“ごくまれ”だったのだ。
 それから妻は、“猫の恩返しってないでしょ”とか“訪問セールスと猫のホームステイはお断りなの よ”などと呟きながら、仕方なく餌を与えている。沖縄の諺に“(む ぬ)くぃーしどぅ我御主(わーうしゅー) (物をくれる人が自分の主人である)”という言葉があるが、“ごくまれ”の奴は、餌を やったことがない私にはそっぽを向いたままだ。



このページに関するご意見、ご感想はこちらまで

お名前:
メールアドレス:
ご感想:

HOME