Home> 沖縄でーびる> サイトマップ

[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

くわっちーさびら・その29

 

文・写真 稲福 達也

お父からオジイへ

 若夏の空に鯉のぼりが泳いでいる風景を見ると、友達の中で一番早く孫ができ たYの二つの顔が浮かんでくる。その一つは、こどもの日にはでっかい鯉のぼりを空一杯に揚げるんだ、 と嬉しそうに孫の様子を話す“ジィジィ”の顔。 そして、もう一つの顔が、息子から交際中の彼女に その孫ができちゃったこと(・・・・・・・・) を告げられた時の顔で、Yの奥さんによると、Yは目がテンになっていたそうだ。 鯉のぼり
おもろまちの公園
 その場面はこうだ。明るく自立心旺盛な息子だが、さすがに彼女が妊娠していることを知って、母親 にどうしたらいいか打ち明けた。彼女のことは家にもよく遊びに来ていたのでY夫婦も知っていたが、 何しろ二人はまだ二十歳になったばかりの若さである。結局、奥さんは、とにかくお父さんにあなたの 気持を正直に話しなさい、とアドバイスした。すると二、三日悩んでいた息子が、夕食を済ませたYの 前に座って、いつもの方言混じりの若者言葉で唐突に言った。
お父(おとう)、話がある。お父はやがてオジイ にナルバーテー(・・・・・・)(なる訳よ)」
「ン?・・・!! 」
 その時、奥さんから何も知らされていなかったYは、一瞬頭の中がまっ白になったらしい(それが奥 さんが言う目がテンの状態だったに違いない)。 いつも大きな声で笑う快活なYだが、事情を察した彼 の固まってしまった顔を想像すると可笑しくて仕方がない。こうしてYは、突然お父からオジイになっ たけれど、“できちゃった婚”をどうこう言う土地柄ではない。今ではYは孫たちに囲まれ、“ジィジ ィ”と呼ばれて悦に入っている。



このページに関するご意見、ご感想はこちらまで

お名前:
メールアドレス:
ご感想:

HOME