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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

68.沖縄・マック

 先日国際通りで朝食を食べるところを探していたら、迷っているうちにだいぶ時間が経ってしま い、「え〜い、もうマックでいいや!」と、意を決して「朝食にマクドナルド」という選択をしま した。ファーストフード=体に悪い=三度の食事には向いていない・・・マクドナルドが日本にやって きたのは1971年、私が4歳の頃だったようです。ケンタッキーはそれより少し後だったと思います。 近所にできたケンタッキーに母と弟と私で行き、「フライドチキン」ではなく、「コールスローサ ラダ」を買って帰ったことを覚えています。ケンタッキーやマクドナルドは、幼少期の私の憧れで した。でも、食べたくても、昔人の母親は絶対に買ってくれませんでした。もちろん、体に悪いか らだけではなく、うちが相当な貧乏だったからということもあるのですが・・・。ファーストフー ド=体に悪いという小さい頃からの教えにより、いくらお料理の苦手な私でも、三度の食事の代わ りにファーストフードを食べるということができないのです。それにマクドナルドは高校生が利用 するもの・・・という先入観もあったのです。だから、沖縄での朝食にマックを選んだことは、とて も大冒険であり、且つ、若者でもないのに後ろめたい感じがしたのでした。
 私は、その後ろめたさからか、あまりきょろきょろせず、うつむき加減で注文をして、いすに座 りました。ふっと一息して、周りを見ると「ん?何か違うぞ。普通のマクドナルドじゃない感じが する。なんだ?」・・・高校生や若者の姿がないのです。私の隣の席はおばあがソファーに正座し て座り、新聞を広げ始めました。隣の隣もおばあ、そのまた奥もおばあ。そして、窓際にはおじい が3人でゆんたくしていました。おじい3人組のところへ4人目のおじいが新聞を持って入ってきて、 コーヒー1杯も頼まず、「はいはい、おはようございます〜。」と言い、これまた新聞を広げてし ばらくすると「行こうねぇ」と帰って行きました。
 沖縄のマクドナルドは高校生や若者だけの物ではなくおじいやおばあにも愛されていたのです。 そして、おじいやおばあは、コーヒー1杯でゆっくり新聞を読むのです。私なんて、映画「ニモ」 がはやったときに、どうしてもハッピーセットのニモのおもちゃがほしくて、勇気を持ってマクド ナルドに行く前に子どもたちに「ねえねえ、ハッピーセットって、大人も買えるの?」と聞いてし まうくらい、マクドナルドは非日常なのです。でも沖縄では、本土復帰前から「A&W」などが存在 し、おじいやおばあの世代からも、ファーストフードは愛されていたのでした。長寿の島・沖縄に は暗い影のような気もしますが、「沖縄・マック」に戦後のファーストフードの存在を見た気がし た、朝ご飯でした。

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