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[ちゃんぷるー・どっとこむ 応援団 (チバリヨー) 寄稿]

(カナ) さ、 沖縄 (ウチナー)

いとうまきこ

119.あれから8年後の竹富島

 あれから8年というのは、前に竹富島のことをコラムに書いてから8年ということです。そう、あの時、私はマ イクロバスがどんどん走り、集落を歩いていると、角を曲がっては水牛観光の牛車に出くわし、しかもその水牛 車から聞こえてくる関西弁の観光案内にびっくりしたり、がっかりしたり・・・という状況でした。だから、今 回の竹富島も、ちょっと怖かったというか、なんというか。もっと竹富島が変わってしまっていたらどうしよう ・・・という不安もあったのでした。でも、今年の我が家の「沖縄、島の旅」は、主人の「竹富島に行ったこと はあるけれど、泊まったことがない」という希望により「竹富島の旅」に決まったのでした。ということで、私 の毎年の希望である「与那国島で夏のダイビング」は今年も却下・・・。
 さて、竹富島はどんなだったか?!もちろん、もう作られてしまったアスファルトの道路は土に戻ることはな く存在するわけで、それはしかたがないことでした。そして、水牛車の方はというと、以前のように、角を曲が るたびに出くわすということはなくなり、少し本数が減ったように感じました。お客さんも満杯ではなく、座席 はがらがら。沖縄旅行も八重山の旅も、そして竹富島の旅も、初めてではない人が多くなったのかな?今では「 沖縄に行ったことがない」という人の方がまれかもしれないくらい、沖縄は人気がある観光地なのですから、当 然かもしれません。水牛車の案内の方も、うちなーぐちで、三線も上手でした。よかった。やっぱり、竹富島は うちなんちゅに案内してもらいたいものだ。よかったけれど、お客さんのノリが悪く、安里屋ゆんたの「さーゆ いゆい」が全く聞こえてこないので、乗ってもいないのに勝手に自転車をこぎながら「さーゆいゆい♪」と歌っ ていた私です。
 というわけで、なんとなくほっとした感じもしましたが、今回は、宿泊施設も飲食店も増えたことが、不安に なりました。だって、なぜ、島に憧れるかっていうと、それは、自然とか人情とか静けさなどが理由のトップに 来ると思うのですよ。でも、宿泊客が楽しめるようにとか便利なようにと、夜遅くまで開いているお店ができて しまっていることに、ものすごく違和感を抱いてしまったのです。夜中12時まで営業しているバー、沖縄民謡で もオキナワンロックでもなくラテン調のB.G.M.、そこで飲んでいる金髪に染めた若い女子、ネイルアートやエク ステのまつ毛、それは都会の夜と同じこと・・・。そんな風に思うのは私だけでしょうか?夜中まで営業してい るお店がどんどん増えたら、八重山の満天の星はいつ眺めるんだ?夜の静けさはいつ感じるの?島でしかできな いことや味わえないことって、都会みたいなバーではないところにあるんじゃない?これじゃあ、単なるリゾー ト地だ。リゾートと言えば、竹富島にコテージを作った「某旅館」も気になっていたのですが、どこにも姿が見 えませんでした。3日目に自転車でビーチに向かう途中にそのマイクロバスが私たちの横を猛スピードで土煙を立 てながら走って行ったので、後をつけてみました。すると、集落のはずれに「この先、宿泊者以外の立ち入りは ご遠慮ください」と書いてある杭を発見。外からは全く何も見えない造りになっていて、一瞬私は「ひどいな!」 と思いました。これはただの高級プライベートリゾート。竹富島に宿泊する意味はあるの?いったいどうして竹 富島はこの「某旅館」に土地を売ったんだ?竹富島憲章に「竹富島は売らない」って、いうような文面あったよ ね?と、疑問や怒りが湧いてきたのでした。
 集落の空き地には小さいブルドーザーが土を掘り返しているところもたくさんあり、まだまだ開発というか建 物が増えそうな感じでした。「どうか、建物は赤瓦でありますように」と祈りつつ、ムーンビーチホテルのプラ イベートビーチに、今は誰でも入れるようになったのと同じように、「某旅館」も、もっと開放的になり、竹富 島に馴染んでくれたらいいなと願い、帰りました。
そうそう、今回の旅は私の意見が全く取り入れられていない旅で、飛行機の時間も宿泊先もちっともわけわか らずに出かけたので、台風どころか、雨が一滴も降らず、それはそれで、ちょっぴり寂しい感じでした。

10/18/13

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